年々、気になりはじめる「ほうれい線」。加齢によるものだから……と諦めるのはまだ早い!
実はほうれい線は、シワではありません。厳密に言うと、ほうれい線は頰と口の間にある「溝」のことで、骨格や筋肉など構造的な都合によって生じるものなのです。
では、なぜ加齢とともにほうれい線が濃くなるように見えるのか?薄くすることはできるのか?など、ほうれい線の原因からケア方法まで、以下で紹介します。
ほうれい線のおもな原因とは
若いうちからほうれい線が出ている人はいますし、年を重ねるにつれ濃くなっていく人、どんなに年齢を重ねても出ない人もいます。
その違いはどこにあるのでしょうか。まずは、ほうれい線ができるおもな原因から見てみましょう。
骨格
骨格によって、ほうれい線の出やすさは異なります。「頬骨が高い」「上顎の骨が出ている」場合は、ほうれい線が出やすい傾向にあります。
これらは日本人に多い骨格ですが、当てはまる人ほど年齢に関係なくほうれい線が出やすくなります。
コラーゲンの劣化
肌の弾力やハリを保つ働きをしているコラーゲンとエラスチン。これらは加齢や紫外線の影響を受けて、年々減ってしまいます。
すると、頰や口元の皮膚がたるみ、ほうれい線が濃くなってしまいます。
表情筋の萎縮
表情筋は笑ったり泣いたり、表情を変える時に使われる筋肉です。しかし、あまり表情を変えない生活を続けていると表情筋は萎縮し、頰を支えている筋肉も衰えます。
年齢が上がるにつれて、これらの影響を受けて皮膚がたるみやすくなり、皮膚がほうれい線に覆いかぶさってしまうのです。
皮下脂肪の肥大化
頰はもともと皮下脂肪の多い部分。太るなどしてさらに皮下脂肪が増えると、脂肪細胞が肥大化します。すると悪い因子が作られ、真皮にダメージを与えることに。
その結果、肌に弾力がなくなって頰をささえきれなくなり、たるみ、ほうれい線が濃くなります。
日常生活も関係!ほうれい線のできやすさチェック
ほうれい線は加齢とともにできるシワではなく、元からある溝の上にたるんだ皮膚が乗っている状態ということ。
おもに肌の内部で起こる現象が関係していますが、以下のような日常生活のちょっとしたクセにも要注意。ほうれい線をさらに濃くさせている可能性もあります。
横を向いて寝る
横を向いて寝ると下になった方に重みがかかり、ほうれい線の下側が濃くなってしまいます。合わない高さの枕も、顔が傾いて頰に重みがかかる原因になるので気をつけましょう。
顔に圧がかからないよう、仰向けで寝るのがベストです。
片側だけの歯で噛む
食事の際に片方の歯だけで噛んでいると、そちらの筋肉だけが発達して反対側の筋肉が衰えていきます。
すると顔が歪んで片方の皮膚にだけ負荷がかかり、ほうれい線を深くすることに。そのほか、頬杖をつくことも顔を歪ませ、ほうれい線に影響を及ぼします。両方の歯で交互に噛むことを意識しましょう。
姿勢が悪い
姿勢は特に注意しておきたいポイントです。気が付くと前かがみの姿勢でスマホを使っていることが多い人は要注意。
パソコンやテレビを見ている時も、背筋を伸ばして首だけが前に出ていないかどうか意識してチェックするようにしましょう。
コラーゲンの劣化による肌のゆがみ
肌の弾力やハリを保つ働きをしているコラーゲンとエラスチン。これらは真皮と呼ばれる肌奥にある部分で土台のような働きをしています。
例えば、スプリングを押すと反発して跳ね返ってきますよね。肌もコラーゲン繊維を束ねているエラスチン繊維によって、押し返されて、元の場所へ戻ろうとします。
ですがコラーゲン繊維やエラスチン繊維は加齢や紫外線の影響を受けて、年々作られる数が減ってしまいます。新しく作られなくなっていくと、分解だけが進み、全体的に少なくなっていきます。
土台となっているコラーゲン繊維やエラスチン繊維の量や働きが薄くなると、乗っている他の肌細胞を支える力を失い、だんだんと頰や口元の皮膚がたるみ、ほうれい線が濃くなっていってしまうのです。
【予防は、外からと内側からのアプローチが大切】
コラーゲン繊維とエラスチン繊維が健康的な状態を維持できるように食事やサプリでサポート。スキンケアもコラーゲンケアをメインにしたラインを選んで使ってみましょう。
コラーゲン配合と書かれたスキンケアを塗っても、肌奥の真皮には届きません。スキンケアでアプローチする場合は、抗酸化作用とコラーゲンやエラスチンなどの生成を助ける「ビタミンA誘導体(レチノール)」、「ビタミンC誘導体(アスコルビン酸など)」、「ナイアシン」、「幹細胞培養液」などが配合されたものを選んでみるのもオススメです。
エラスチン分解酵素を阻害して、エラスチンの分解をゆっくりにしてあげるものなど、ピンポイントで真皮ケアが出来るスキンケアを取り扱っているブランドもありますので、各ブランドのエイジングケアラインをたくさんチェックしてみてください。
また、食事などから摂取した栄養は血液に乗って肌に届けられます。コラーゲン生成に必要な「アミノ酸」、「ビタミンC」や、女性ホルモンに似た働きをしてくれる「イソフラボン」を含んだ大豆などを積極的に食事に取り入れたいですね。コラーゲンゼリーやドリンク、サプリメントでの補助もオススメです。
今日からできるほうれい線ケア
ほうれい線が濃くなる要因は複数あることがわかりましたが、最期に深刻化を食い止めるためのケア方法をご紹介します。簡単にできるものだけを集めました。
口元の筋肉エクササイズ
口元を鍛えて皮膚のたるみを解消するエクササイズです。この運動が難しい場合は、口まわりの筋肉「口輪筋」が衰えているサイン。
ほうれい線ができやすい状態なので、まずは2週間続けてみましょう。
1)500mlペットボトルに水を少しだけ入れます。
2)唇だけでペットボトルをくわえ、10秒キープ。
3)この運動を3回繰り返します。
目元用マスクでほうれい線ケア
口元のコリをほぐす→マスクで保湿→潤いを閉じ込めるという、ちょっと贅沢なケアです。
1)指の腹を使って、ほうれい線を上から下へマッサージ。くるくると円を描きましょう。
2)ほうれい線の部分がほぐれたら、目元専用のシートマスクをほうれい線に乗せて15分。ほうれい線が伸びた状態で保湿ができます。
3)伸びたほうれい線を美容液で固定。リフトアップ作用のあるものを使うと、なお良し。
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ほうれい線はシワではなく、肌のたるみによって引き起こされています。そのまま癖がついてしまうと、シワとして刻まれてしまいます。
ケアをする時は、まずはほうれい線だけを伸ばすことより、頰のたるみを改善するよう肌の運動を意識すると良いでしょう。
日常のちょっとした時間に、口元のエクササイズを取り入れて見ましょう。習慣化できるとなお良いですね。積極的なほうれい線ケアで、若々しさをキープしていきましょう!

筆者プロフィール
天王寺リナクリニック
スタッフY
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