一度治っても、気づくとまた同じところに現れる大人ニキビ。学生時代はきれいな肌だったのに、大人になってから悩まされている……そんな人も少なくないのでは?
実は、若い頃にできるニキビと大人になってからできるニキビはメカニズムが違うため、同じ方法でケアしても改善が期待できません。
ここでは、しつこい大人ニキビの正しい撃退法をチェックしていきましょう。
「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」とは何が違う?
ニキビとは、肌の毛穴が詰まり炎症を起こしている状態。若い頃にできる「思春期ニキビ」と、大人になってからできる「大人ニキビ」は、毛穴が詰まる要因が異なります。
10代の頃にできる思春期ニキビは、成長期に成長ホルモンや性ホルモン皮脂の分泌が増え、皮脂が過剰分泌されてしまうのが原因。多すぎる皮脂が毛穴を詰まらせ、アクネ菌が繁殖してしまうのです。
そのため、皮脂の分泌量が多いおでこやTゾーンにニキビができやすいという特徴があります。成長期の現象なので、3〜4年ほどでなくなることがほとんどです。
20代以降にできる大人ニキビは、乾燥や不規則な生活などいくつかの要因が重なった結果、肌のターンオーバーが乱れてしまうことが原因。
ターンオーバーが乱れると古い角質が溜まって毛穴を塞ぎ、ニキビを作り出してしまいます。大人ニキビができやすいのは、あごや口周りといったUゾーン、首やデコルテです。
ライフスタイルに影響を受けるので、一度治ったとしても同じところに繰り返してできるのが特徴です。
スキンケアに気をつけても、なぜ大人ニキビができる?
大人ニキビは、どんな要因が重なると発生するのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
ホルモンバランスの変化
女性ホルモンと肌の関係は密接で、月経の周期に合わせてホルモンバランスも変化しています。
生理前にホルモンバランスが乱れると、肌状態も不安定に。皮脂量が増加すると、大人ニキビができやすくなってしまいます。
生活習慣の乱れ
運動・食事・睡眠・ストレスなどの生活習慣も、大人ニキビと大きく関係しています。
特に気をつけたいのがストレスと睡眠不足。ホルモンバランスが崩れて男性ホルモンが増えると皮脂量が増加し、毛穴に詰まって大人ニキビができてしまうのです。
誤ったスキンケア
大人ニキビを気にしてスキンケアに力を入れたとしても、ケア方法が間違っていたら悪化してしまいます。
例えば化粧水選び。皮脂量を気にしてさっぱりとした化粧水を使っていると、肌が乾燥を防ごうとして余計に皮脂が作られてしまいます。
毛穴パックも注意が必要です。毛穴に詰まった角質を取り除くために使う人もいますが、こちらも場合によっては逆効果。
肌に必要な角質まで取ってしまうと、肌が乾燥を防ごうとして皮脂を出す…という悪循環に陥ってしまいます。
正しい大人ニキビの撃退法
正しいスキンケア
思春期ニキビなら、皮脂量をおさえるケアが最適。こまめに洗顔をして肌を清潔に保ち、皮脂量を抑える化粧水を使うのが正解です。
一方、大人ニキビは乾燥が原因で皮脂量が増えているケースがほとんど。まずは保湿をして乾燥を抑えましょう。
美容オイルの中には、使うとニキビが増えてしまうものもあるので注意が必要です。「オレイン酸」は乾燥に有効ですが、ニキビの元となるアクネ菌の餌となってしまいます。ニキビがある時の使用は控えましょう。
また、肌のターンオーバーを整えるなら、エイジングケア効果のある化粧品がおすすめです。
生活習慣の見直し
スキンケアも大切ですが、大人ニキビは生活習慣を見直す方が効果的です。甘いものや油っぽいものを控え、ビタミン・ミネラル・タンパク質を積極的に摂取しましょう。
ビタミンBを多く含む大豆、豚肉、きのこ、ビタミンCを多く含むレモンなどがオススメです。食事の回数や時間も極力、規則的になるよう心がけてみてください。
そして、肌のターンオーバーに欠かせないのが睡眠です。長時間の睡眠を確保するのが難しい時は、少しでもリラックスできるよう湯船にゆっくり浸かるなどの工夫を。
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思春期ニキビと比べて、大人ニキビの原因は複雑です。仕事や家事などに忙しくしていると、どうしても食事や睡眠に気を配ることができない場面もあるかもしれません。
そんな時は、せめて「保湿に力をいれる」「食事内容にだけは気をつける」など、できることから始めてみてください。少しずつニキビが改善するはずです。

筆者プロフィール
天王寺リナクリニック
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